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親になると子どもと一緒にみたいアニメがいくつかでてくる。
メージャーどころだと「となりのととろ」「崖の上のぽにょ」などのジブリ作品や、「未来のミライ」「おおかみこどもの雨と雪」などの細田守作品も、当然子どもと一緒にみたい作品ではある。
しかし、父親として息子に伝えたいものは何かという視点にたった場合、この作品以外に僕はかんがえられない。
それは、キングダム。
しかも、やはり、第一期!
これしか考えられない。
(出典:©原泰久・集英社 / NHK・NEP・ぴえろ アニメ「キングダム」DVD公式サイト)
今回は「なぜこのアニメを息子とみたいのか」という、極めて個人的な思いをベースにこの作品の魅力をひもといてゆく。
この作品を大好きなひとも、まだみたことのない方も、是非最後までこの記事を読んでほしい。
なぜなら、キングダム には「父親ならば誰もが息子に伝えたいこと」がすべて書かれているからだ。
キングダム あらすじ
まずは未見のかたのために、あらすじをざっくりと簡単にまとめてみた。
紀元前、中国。時代は春秋戦国時代。
戦災孤児として暮らしていたひとりの少年が、友や仲間に支えられ、戦乱の世で成り上がってゆく青春群像活劇。大切な仲間たち、時に壁となり少年を鍛える憧れのひと、出世のライバル、そして次々と襲い掛かる強大な敵たち。さまざまな試練を乗り越え、少年が掴む世界とは…
「少年漫画にありがちな世界観」。
僕もこの作品に実際に触れるまではそう思っていた。
絵のタッチも最初は正直好きでなかった。
しかし、ある日、仕事仲間にすすめられて漫画の単行本をよみ、あっという間にその世界観にひきづりこまれた。そして、つづけてアニメ作品をみた。何度もみた。
そして、泣いた。
この物語の根底に流れるテーマに自らの魂が共鳴し、震えたのだ。
キングダムをみることで息子に伝えたい6つのこと
壱→力をつけるには弛まぬ努力が必要。
弐→友とは、共に前をむき、歩みつづける者を指す。
参→ひとや世に認められるには、段階を踏まねばならぬ。
四→ライバルの存在こそが己のチカラを高める。
伍→世の中は正論だけの美しい世界ではない。
六→父親とは、越えるべき存在である。
この物語は春秋戦国時代の秦の国を舞台にすすんでゆく。
作中で随所に登場する「秦国六大将軍」という存在。
当記事ではそれにのっとり、「キングダムをみることで父親が息子に伝えたいこと」を六つに大別した。
(出典:©原泰久・集英社 / NHK・NEP・ぴえろ アニメ「キングダム」DVD公式サイト)
その壱
→力をつけるには弛まぬ努力が必要。
主人公の信は戦災孤児の身の上から脱却し、立身出世することを夢見る少年である。
夢である大将軍になるために親友と武の鍛錬をかさねる日々の末、ようやく仕官の道がひらかれるが、仕官後も彼の前にはさまざまな壁がたちふさがる。その壁を乗り越えるため、信は耐え、学び、膝をつくも這いあがり、あがきつづける。
この主人公の姿には、力をつけるには弛まぬ努力が必要だというメッセージが込められている。
勉強でもいい、スポーツでも音楽でもいい。または将来の仕事の場面でもいい。
壁にぶちあたっても折れないこころを持つことの大切さを、主人公の信の姿から学んでほしい。
その弐
→友とは、共に前をむき、歩みつづける者を指す。
友とは、馴れ合う存在ではない。
共に前をむき、歩みつづける者を友と呼ぶ。仲間と呼ぶ。
この作品は、こう見る者に問いかける。
主人公の信の周りにはそのような者たちが集う。みなそれぞれ能力、才能、性格に差があるが、決して停滞しないで、前進しつづけるメンタリティを持っている。そして、そのような友に囲まれることで、「自分ひとりでは決してなしえない結果」が生まれることを知る。
息子よ、そんな仲間を、友を、みつけてくれ。
そして、できれば、そんな友や仲間ともに大きなことを成し遂げる男になってくれ。
その参
→ひとや世に認められるには、段階を踏まねばならぬ。
主人公の信は、仕官するも最初は雑兵からはじまる。
当たり前だ。どこの馬の骨ともわからぬ若造にいきなり指揮権をあたえる組織なぞこの世には存在しない。誰もが、戦って結果をだすことで認められ、世にはばたいてゆく。
はやく認めてもらいたいが故の焦り、嫉妬。
その結果、先走り、ミスをおかし、大切なものを失う場面もある。
ひとや世に認められるということは、そのステージがあがれば上がるほど、プレッシャーが増大してゆくという側面をもつ。いきなり過度なプレッシャーを与えられると、将来有望な若者でも、その重さにおしつぶされてしまう。
だから何事にもステップがあるのだ。
その段階段階ごとで「一体なにが大切なのか」を学べる男に、お前にはなってほしい。
そして、段階を踏むことの大切さを理解しろ。我慢をおぼえろ。
さすれば、その先に、必ず道はひらける。
その四
→ライバルの存在こそが己のチカラを高める。
生きていけば、そのうちどこかでライバルと出会うだろう。
それは、敵かもしれないし、味方かもしれない。
自分と似た特性かもしれないし、全く別の個性を有しているかもしれない。
そいつに先をいかれて焦って、嫉妬することもあるだろう。
しかし、その焦りや嫉妬こそが、より自分を伸ばす原動力にもなりえると知れ。
その気持ちをバネにいかに成長できるかで、未来が変わるんだ。
その伍
→世の中は正論だけの美しい世界ではない。
キングダムの世界は決して合戦だけが描かれているわけではない。
現実の社会や組織とおなじ、政治の世界もそこには描かれている。
正論は美しい。そしてひとを引きつける強さもある。
しかし、世の中はそれだけじゃない。
足の引っ張り合いや欲望に満ちた罠も当たり前に転がっている。
その醜くさ、汚さ、厳しさに、心底嫌になることもあるだろう。
それでも世界はうつくしい。
そう思える強さを、おまえには身につけてほしい。
なぜなら、希望にみちた明るい世界はその先にあるのだから。
その六
→父親とは、越えるべき存在である。
この作品を語る上で欠かせない存在がいる。
それは、戦争孤児で父親のいない主人公に道筋をしめす男。
「秦国六大将軍」のひとりとして、生ける伝説となった男。
その名は、大将軍 王騎。
この作品の影の主人公である。
主人公が成長するために、乗り越えるべき存在として父親が描かれる作品は古今東西多いが、この作品の根底にながれるテーマもそれである。
父親に課された試練に葛藤し、悩み、反発し、認められることを望む息子。
そんな息子の成長を厳しく見守りながら、その成長を楽しみに生きる父親。
厳しくも愛情あふれる両者の関係。
それこそがあるべき父と息子の関係性であると、この物語はかたっている。
息子よ、父を超えてゆけ。
そして、俺のみられなかった世界を、お前は手に入れろ。
それだけが、俺の願いだ。
(出典:©原泰久・集英社 / NHK・NEP・ぴえろ アニメ「キングダム」DVD公式サイト)
まとめ
ここまでキングダムを通して「父親が息子に伝えたいこと」をまとめてきた。
だいぶ自分ごととして感情移入し熱苦しい文面になってしまったが、記事を書いている途中で、「これ、俺が親父に教えてほしかったことだな」と気がついた。
そして思った。
これ、親父とみたいなって。
親父はあまり人生ってやつを教えてはくれなかったが、今ならわかるよ、親父が俺に伝えたかったこと。
うちの息子がこの作品を見られるようになるには、まだまだ時間がかかるので、その前に親父とみよう。そして、親父とキングダムについて語り合おう。
そういう時間こそが、本来、受け継がれてゆくべき時間の流れなのかもしれない。
(詳細を知りたい方は↓コチラの公式サイトをご覧ください。)
僕が子どもと一緒にやりたい100のリストの18番目が、息子と一緒にこの作品をみること。
あと10年くらいは先になりそうだけど、その未来を想像すると、いまからワクワクしてしまいます。
では、また会える日その日まで…
See You!