(【 体験実話 】失恋ダイエット 第一話 からお読みください。)
登りたい山を決めることで、
人生の半分が決まる。
by 孫正義
1.登山道具の買い出しとボンディのカレー
翌週の日曜。
僕と友人は神保町の問屋街に登山道具の買い出しにむかい、ふたりで大人買いをした。
真の大人買いは、なかなか経験することができない。
僕は常日頃、本以外の出費にはせこい男だから特にそうだ。
700円の文庫本でも30分はざらに悩むし、ランニングするにしろ5000円のスニーカーで小一時間悩む。20代の頃は一週間300円のTSUTAYAのアダルトビテオコーナーで二時間悩んだこともある。書いていて恥ずかしくなるぐらい、とても小さな男だ。
そんな僕だが、この日はやってやった。
隣にいた友人も驚いたくらいだ。
シミュレーションと試着を繰り返し、続々と買ってゆく。
総額17万円以上のお買い物。
ゴアテックスのブーツやレインウェアなどなど、欲しいものは全て買った。
二週間後に初トライする北アルプスの常念岳。
夜や明け方になると氷点下になり、雪も降るかもしれないという。
そんな山に登ることをイメージするだけで燃え上がるテンション。
これで格好は整った。
あとは自分のチカラ次第。
Escalate MY LIFE !
待ってろよ!常念!
そんな感じでみなぎってくる。
未練や後悔などのこころの痛みも束の間だが吹き飛んだ。
そして不思議なものだが、みなぎってくると毎度腹がへる。
そういえば買い物に夢中になっていて昼飯食ってなかった。
「カレー食ってく?」
レジ待ちしている友に声をかける。
「いいねえ、神保町といえば?」
「ボンディー!」
「だよねぇ!」
こころに浮かんだ回答は一緒だったようだ。
ふたりして笑顔になる。
そして腹が鳴った。
2.ダイエットの基本知識
ダイエット中なのにカレーなんて食ってんじゃねーよ!
つか、おまえ、ここまでダイエットについて語ってねーじゃん!
そんなツッコミをお持ちのかたに、ここで簡単にダイエットの仕組みを説明しよう。
この理屈を知り実行さえすれば、誰でも結果がでる。
言ってみればドラクエみたいな単純なRPGだ。
まず初めに理解してほしい唯一無二の真理は、
消費カロリー>摂取カロリー。
これさえ守れば、あとは人それぞれの速度で痩せていく。
極論でいうと、これだけ意識していれば良い。
実に簡単だ。
基本は食事の見直し。
僕の場合、ダイエット開始前、普通に食べていて一日あたり約2800から3500kcalを採っていた。消費カロリーを生活強度的に低く見積もって2000kcalとしても、そりゃぜい肉もついてくるわな。なので、一日あたり1800kcalの緩めの食事制限をはじめた。200kcalはだいたい、おにぎり一個分だ。
脂肪は1kgで約7200kcal、消費熱量を入れると9000kcal。
つまりはこれだけ摂取カロリーを減らせば嫌でも一ヶ月で1kg弱は痩せてゆく。
ライザップとかで今流行りの低糖質ダイエットは、糖質と水分の関連性に着目したダイエットだ。
糖質はその重さ1に対し、周辺に水分を3蓄えると言われている。
低糖質ダイエットは「糖質を減らし、かつ体内の水分量を減らすことで、簡易的に緩やかな脱水症状とし質量を減らす」という理屈だと僕は理解している。
これはメタボリックなひとには非常によく効く。
糖分が足りなくなると脂肪からエネルギーを生み出すのだが、脂肪の落ち方はまず内臓脂肪から落ちていくというのが定説かつ体験論なので、腹回りが一気に落ちる。
皮下脂肪は落ちにくいが、身体の中心部から離れた場所から落ちると言われているし、体感できる。
そして背中、太もも、お尻、首すじ、ここら辺から落ちてゆく。ラスボスのお腹の浮き輪脂肪、この攻略はかなりの時間がかかる。うっすらとしてからが、なかなか落ちない。
僕はこれらの食事療法を基本にし、ジョグの他にも10種程度のなんちゃってダイエット方法を飽きないようにローテしていた。
ま、この辺の具体的なダイエット法については、この物語を書き終えた後に体験論としてきちんとまとめてみたいと思う。
※ちなみにここに書かれているダイエットの基本知識は、5chのダイエット板から学んだ情報、および自らの体験から主にまとめたものであり、その医学的エビデンスを求める方は各自で調べてみることをオススメします。
(つづく)