イクジー48

こどもと一緒に成長してゆくブログ。

【 体験実話 】男の不妊治療物語 資料篇 | 不妊治療に伴う社会的課題と患者の抱えるストレスについて資料と照らし合わせる

f:id:okaka877:20181018135744p:plain

 

ここまで自分が体験した不妊治療の日々について、シリーズ記事男の不妊治療物語 を書いてきました。

 

その期間中、僕がもっとも気を配っていたのは、不妊治療に伴う夫婦の関係性の維持でした。

精神的、身体的、経済的負担が徐々に重くのしかかってくる中、どのようにしたら夫婦の関係性を良好に保てるか。

それを主に考えてきました。

 

今回はそのことに言及している資料として、川崎医療福祉学会誌に掲載されている「不妊治療を受ける夫婦の抱える問題点と支援のあり方」という文献と照らし合わせ、話をすすめていきたいと思います。

(参考文献元:http://www.kawasaki-m.ac.jp/soc/mw/journal/jp/2009-j19-1/3_hayasitani.pdf

 

年々増加する不妊治療の患者数と社会的偏見

f:id:okaka877:20181017233248p:plain

引用元:http://www.kawasaki-m.ac.jp/soc/mw/journal/jp/2009-j19-1/3_hayasitani.pdf

f:id:okaka877:20181017233021p:plain

(引用元:厚生労働省:特定不妊治療費助成事業の効果的・効率的な運用に関する検討会 第1回資料

 

この日本産婦人科学会の報告書をみてもわかる通り、体外及び顕微授精の患者数は年々増加傾向にあります。そのような中で、社会的偏見や職場における理解の低さに悩むひともまだまだ多いのが現状です。

 

僕も 第二話 | 不妊治療のステップと消えない偏見の中で言及していますが、まず偏見という名の差別が根強く残っているのを感じます。それは治療を受けている患者にとどまらず、子供にまで向けられるケースもあります。

よって不妊治療を受けている夫婦は、悩みを相談できる相手がパートナー以外にいない状況になり、孤独感を味わう場面がどうしても増えていきがちになります。

 

 

社会生活や職場環境における不妊治療への理解促進の必要性

またこれも該当記事内で何度ものべていますが、女性患者のホルモン剤投与などに対する社会的理解の欠如も、少子化対策をうちあげている政府には早急な啓蒙を促してほしく思っています。

 

現状、不妊治療における女性へのホルモン剤投与の副作用には非常に重いものがあります。

僕の妻の症状は主に吐き気とイライラでしたが、その他にも腹痛や息苦しさなど、そばで見ているだけでもとても辛いものがありました。

妻の働いていた職場(大手印刷企業)は比較的理解のある方だったと思いますが、それでも勤務時間の延長や急な出勤要請がたびたびありました。

 

よく行政が口にする「安心して産み、育てられる環境」も必要ですが、少子化対策には今後「安心して妊娠に向かえる環境の整備」も、これから重要になってきます。

社会生活や職場環境における不妊治療への理解促進は、そのために必要なことのひとつだと僕も考えます。

 

 

治療の長期化による夫婦の関係性の変化と閉塞感

僕たちのように比較的短期間で不妊治療を終えられるケースもありますが、様々な事情から治療が長期化するケースもあります。

実際に、僕の親族内でも過去に不妊治療が長期化したケースがありました。

彼らは長い葛藤の末、新たな選択をしましたが、そこに至る気持ちを考えるだけで胸が痛くなります。

その他にも多くの知人が不妊治療を受けてきていますし、または継続して受けていますが、みなに共通していえるのが「夫婦の関係性を良好に保つ」ために心をくだいているということです。

それくらい夫婦双方にさまざまなストレスがかかります。

 

冒頭で提示した資料には下記のように、治療期間中の患者の精神状態についてまとめられています。

 

女性の85%が不妊治療をはじめてから特別なストレスを感じるようになった。

妊娠の見通しについては約半数が悲観的。

約60%以上の者が治療に対する焦燥感を訴えている。

(引用元:http://www.kawasaki-m.ac.jp/soc/mw/journal/jp/2009-j19-1/3_hayasitani.pdf

 

このような精神的ストレスを常時抱えながら、ホルモン剤投与による身体的ストレスや積み上がっていく金銭的ストレスを不妊治療患者は抱えているのが現実です。

 

僕たちも何度も「金額的限界」について夫婦で話し合いました。

第六話 | はじめての胚盤胞移植 の回にも書いていますが、「ふたりの未来を壊す可能性がいなめない経済的負担のライン」。

それをどこに設定するかは非常に難しい問題です。

 

それは各ご家庭ごとに異なると思いますが、経済的理由による治療の終わりが迫ってくる焦燥感は、自己否定の連続となる不妊治療の過程において大きな閉塞感を感じさせる一因となってくることは否定しようがない事実です。

 

最後に。

今回は川崎医療福祉学会誌に掲載された資料をもとに、不妊治療に伴う社会的問題点と患者の抱えるストレスについて、僕なりの体験を踏まえながら考えてきました。

 

本当は「不妊治療において夫婦がお互いに配慮しあうべきこと」を書こうと思っていたのですが、その前段として現状を分析したエビデンスが欲しく、それを調べていたらこのような記事になりました。

 

次回は、より体験をベースに、不妊治療期間中の夫婦の関係性の維持に必要なことについて言及していきたいと思います。

 

※参考文献:川崎医療福祉学会誌 「不妊治療を受ける夫婦の抱える問題点と支援のあり方」 http://www.kawasaki-m.ac.jp/soc/mw/journal/jp/2009-j19-1/3_hayasitani.pdf

 

 (男の不妊治療物語本編を未読の方は↓コチラからお読みください。)

www.ikg48.com